戦争という時代の荒波に翻弄されながらも、自らの信念と愛を貫こうとする夫婦を蒼井優さんと髙橋一生さんが演じる。
名匠・黒沢清監督が、第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した話題作。
- BSプレミアム・・4月12日(月) よる9時
- BS4K・・・4月12日(月) よる9時
【作】濱口竜介、野原位、黒沢清 【音楽】長岡 亮介 【演出】黒沢清
『スパイの妻』キャスト
- 福原聡子(蒼井優)
- 福原優作(高橋一生)
- 津森泰治(東出昌大)
- 竹下文雄(坂東龍汰)
他
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『スパイの妻』ネットの感想抜粋
黒沢清監督作品はいくつも見ましたがどれも肌に合いませんでした。しかしこの作品はこういう方法でメッセージを使えることもできるのかと驚くとともに、サスペンスフルなストーリーを楽しめます。お勧め映画です。
多くのメディアの中で不可視化させられていた女性という真実、人間としてとっくの昔に屹立していた女性を発見することができた。「ドレミファ娘〜」や「叫」などで監督の作品に心打たれている私にとっては、このイデオロギー的な感情反応は新鮮なものだった。新たに黒沢清監督を再発見した気もした。タイトルや台詞まわしなどに違和感を憶えたのは私だけだろうか。
画面というか、うつし方?がすごくきれいでした。最後にはハッと驚かされました。とても面白かったです。
主演二人の演技が素晴らしい。
一部の感想で、印象操作で日本人を歪めているとの難癖がつけられていたが、それこそ歴史的事実を歪め、印象操作と称して日本人の醜さを誤魔化す醜悪さを感じる。産経新聞の展開する「歴史戦」という語句と同じ歪な精神性だ
映像が色調を抑えた中にステンドグラスの色が映える。一瞬フェルメールの絵画をイメージする。カメラはあまり動かない。おそらくこの監督小津や成瀬の映画を見まくっている。黒沢は黒沢でも明の映像とはまるで違う。小津と言えば原節子、この聡子という役は昔の女優なら原が一番だろう。私見だが、この監督そんなところまで思いながらこの映画を作っている。後半「河内山宗俊」(山中貞雄監督)のフィルムが出てくるが、この映画1935年製作で15歳の原節子が出演している。本人に聞いてみないと分からないがおそらくそうだ。ラストは内容が内容だけにあのような感じで終わるのがベスト、おそらくこの映画で一番印象に残る映像はラストであろう。自分にしか分からない映画ってのを作れる映画監督の仕事というのはかなり面白そうだ。いずれにしても、映像にしろ、脚本にしろ、たいして考えていない大雑把な日本映画が多い中よく考え、頭を使いながら作られた映画だと思う。ただ何回も観たくなる映画ではない。映像だけでも見る価値あり。
スパイの妻の命運をこの時代に託して描いたこの作品、最後にたどり着く風景と心情が見事に描かれるラストでした。素晴らしいです。
『スパイの妻』作品情報
すべての国民が同じ方向を向くことを強いられていた太平洋戦争開戦間近の日本。正義を貫くためには、誰かを陥れなければならない。愛を貫くためには、誰かを裏切らなければならない。正義、欺瞞、裏切り、信頼、嫉妬、幸福。相反するものに揺られながら、抗えない時勢に夫婦の運命は飲まれていく。昭和初期の日本を舞台に、愛と正義を賭けた、超一級のミステリーエンタテインメントが誕生した。
世界中に熱狂的なファンを持つ映画監督、黒沢清が『スパイの妻』で歴史の闇に初めて挑んだ。ロケ地、衣裳、美術、台詞回し、すべてにこだわり、描き出した疑心暗鬼渦巻く狂乱の時代。脚本を手掛けたのは黒沢自身と濱口竜介(『寝ても覚めても』)、野原位(『ハッピーアワー』脚本)。3人が結合することで生まれた化学反応に目を見張る。
音楽を担当したのは、「ペトロールズ」のリードボーカル&ギターであり、浮雲名義でロックバンド「東京事変」のギタリストとしても活動している長岡亮介。本作で映画音楽を初めて手掛け、映画世界の奥行きを広げた。そして、安宅紀史が美術、纐纈春樹が衣裳を担い、美しくもリアリティのある昭和初期世界観を鮮やかに再現している。
日本を代表する才能が集結した本作は、第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選出された。主演は日本アカデミー賞をはじめ、数々の受賞歴を誇る、実力派女優・蒼井優。儚げでいて芯の強さを持ち、狂気にも近い想いを持って夫を愛し抜く聡子を圧倒的な存在感で演じている。『ロマンスドール』に続き蒼井と夫婦を演じるのは高橋一生。スリーピースに身を包み、聡明で正義の遂行のためには手段を選ばぬ優作を魅力的に体現した。 公式より引用