八日目の蝉 予告
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八日目の蝉 あらすじ、ネタバレ含む!
暗がりの中で、誘拐された秋山恵理菜、恵理菜の母の恵津子、恵理菜を誘拐した野々宮希和子の独白から始まるこの映画は2011年に日本で上映されました。
第35回日本アカデミー賞で10冠受賞しています。
独身の野々宮希和子28歳は不倫相手の秋山丈博との間に子供が出来ますが、
秋山の希望で中絶したときに子宮内部の組織の癒着が激しく、
子宮に傷がつき一生子供が産めない体となってしまいます。
後に丈博の妻、恵津子に
「あなたはがらんどう」
と言われてしまいますが、このときの希和子は、本当に心身がからっぽでした。
そこへ丈博とその妻の間に子供が産まれた事を知ります。
「一目だけ、一目だけ赤ちゃんを見たい。」
一目だけ見たら、自分の父が遺してくれていたお金で住まいも仕事も変えて、秋山を忘れ新しい生き方をしていくと決め、希和子は丈博とその妻が留守にしていた家に侵入します。
家の中には、まだやりかけのアイロン、夫婦二人がご飯を食べ終えたままの食卓があり、秋山夫婦の幸せそうな暮らしぶりに包まれています。
すると、その家のどこかで激しく泣いている赤ちゃんの声に希和子は気づきました。
一人でベビーベッドの中でわんわん泣いていた赤ちゃんは、希和子と目を合わせ、ふっと泣き止みました。
一目見て赤ちゃんに
「薫」
と名付けた希和子は
「この子は私が必ず守る」
とこの瞬間に胸に誓います。
大雨の中、薫を連れた希和子は、何も事情を知らない友達の家などを経て、様々な事情を抱えた女性達が共同生活をする宗教施設エンジェルホームへ辿り着きます。
エンゼルさんと呼ばれる施設のカリスマ的存在の初老の女性に、希和子はルツ、薫はリベカというこの施設の中だけで使える名前を貰います。
エンジェルホームに住むことができるのは女性だけに限られていて、
掃除に料理にと毎日やるべきことのある暮らしは忙しくとも充実していましたが、
エンジェルホームの近隣に住む住民はその頃世間を賑わせていた
「宗教団体イコール有毒なガスなどを作成し無差別に人を傷つけようと試みている危険な存在」
というイメージに翻弄され、連日エンジェルホームの壁に
「この街から出ていけ」
などと落書きをし、時に拡張機でもその思いを叫んでいました。
ある日、一人の住民がついにエンジェルホームの門を壊すことに成功し、背後からもその住民と同じ気持ちの人達がホームの内部目掛けて駆け寄ってきました。
嵐のような騒ぎの中、希和子と薫は仲間にお別れを告げ、窓から逃げて施設から走って逃げます。
二人が逃げて辿り着いた先は香川県小豆島。
希和子は素麺工場で働きながら薫を育てます。
どこから見ても仲の良い親子に見える二人は島の暮らしにも馴染みました。
ある日、島で行われた虫送りのイベントで、楽しそうに提灯を下げて棚田沿いを歩く希和子と薫にカメラを向けた人が居ました。
その写真はフォトコンテストに入賞し、これを機に薫と希和子の居場所が世間に知れてしまいます。
これは不倫をした女の意地だけで続けた甘く切ない逃避行の記録なのか、ある”親子”の輝けるひとときの重なりなのか、恵理菜と恵津子、薫と希和子の1342日間のお話です。
八日目の蝉の感想!
★20代女性 きよさんの感想 ★★★★☆
優しかったお母さんは、誘拐犯でした。のキャッチコピーから「ん?』と目を引く内容。なぜ「おかあさん」は誘拐したのか?誘拐されても優しくしてくれた「おかあさん」の気持ちを考えると、複雑なものがあります。お母さんが警察に捕まり、誘拐した子供と引き離される時「待って!まだその子朝ごはん食べてないの!」という言葉にどれほど大事にしてきたかがぎゅっと詰まっていて胸が苦しくなります。
★50代女性 Hirihさんの感想 ★★★★★
この映画は面白いといういより考えさせられる感情を揺さぶられるという事で大きく残っている映画です。母としてみるが犯罪者の方にものすごく感情移入しました。このままこの偽りの親子の方が真実ではないかとも思ってしまう自分に困りました。それでも犯罪であるという事に納得出来ない自分にです。切ないだけでは済まされない作品でした。
★30代男性 ハンバーグさんの感想 ★★★★☆
子供のころに誘拐され、誘拐した女性に育てられた子供が中々、本当の両親を受け入れなれない葛藤と誘拐した女性を母親として慕っていた時の回想が交差している感じが面白かったと思います。また、幼い時に一緒に育った女性として小池栄子が登場しますが、最初の登場シーンがキャラクター性が強いので、そのシーンも見どころとなっています。
★40代女性 りょうさんの感想 ★★★★★
不倫相手の子を誘拐した女と誘拐された少女との逃亡劇とその後を描いた作品で、切なさとなんとも言えない感情で気持ちがえぐられました。四年間の逃亡後、野々宮希和子を演じる永作博美さんは捕まってしまいますが、それで終わらずその後がまた切ないです。野々宮希和子が論告求刑の後に、四年間、子育ての喜びを味わわせてもらったことを感謝しますと話すシーンはグッとくるものがありました。ルポライター役の小池栄子さんと永作博美さんが本当に素晴らしい演技でかなり泣ける映画です
★30代女性 ふうさんの感想 ★★★★☆
とても緊迫した映画でした。本当の親子とは何なのか、とても考えさせられました。誰の立場になっても、自分がどんな行動を取るだろうかと思うと正解が見つかりません。大人の勝手な行動によって、子供がどれだけの苦悩をかかえて生きていくのだろうか、と思うと胸が締め付けられる映画でした。他人同士の間にも親子以上の愛情が生まれること、感動しました。
★50代女性 ノッポちゃんさんの感想 ★★★★★
愛人の娘を誘拐してしまう。不倫がもたらした犯人、その被害者家族、1番は誘拐された子供の人生を変えてしまった。犯人が初めは復讐だったが赤ちゃんの薫が笑った事から、母性に変わったのだろう。2人は本当の親子のようだったが、1枚写真を撮られた事で母の顔が誘拐犯と分かり捕まえてしまう。薫は本当の家に戻るが、薫にとってのママは誘拐犯の希和子だから、本当のママも娘が帰って来たというのに、地獄のような日々だった。
★40代女性 POWPOWさんの感想 ★★★★☆
母だと思っていた人が誘拐犯であったという設定だけでも恐ろしさを感じました。井上真央演じるヒロイン恵理菜の、世間になじめない過去の事情と現在のやさぐれている感じが、演技力のすごみもあってとても悲しい印象を受けました。永作博美演じる誘拐犯・希和子も、相応の事情と覚悟が感じられる見事な演技でした。つい希和子に同情したくなってしまうのですが、犯罪者である事は間違いないんですよね…。考えさせられる映画でした。
★20代女性 わんころさんの感想 ★★★★☆
誘拐犯が優しい母親像を描いていて感情移入しすぎてしまって、悲しくて切ない物語になっていた。誘拐犯でなければ、理想の母親のようだった。親子愛や母性に涙が出てきます。各々の立場にたつと、何が良くて何が悪かったのか解らなくなりました。ただ、間違いなく悪いのは不倫した旦那さんかと思います。扱ってるテーマは重いのですが、そのシーン、その瞬間にちゃんと幸せを感じることの出来る映画でした。
八日目の蝉の映画情報
八日目の蝉 : 2011
監督
成島出
原作
角田光代
脚本
奥寺佐渡子
出演
井上真央
永作博美
小池栄子
森口瑤子
田中哲司
渡邉このみ
市川実和子
余貴美子
平田満
風吹ジュン
劇団ひとり
田中泯
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